2016年9月のお知らせ

逆転判決を勝ち取りました。

 当弁護団所属の生越照幸弁護士が、過労自死事案の行政訴訟で、東京高等裁判所にて逆転勝訴判決を勝ち取りました(東京高等裁判所平成28年9月1日言い渡し。確定済み)。

【事案の概要】
 コンビニエンスストア「サンクス」のフランチャイズ店の元店長(当時31)が、長時間労働、ノルマ、及び連続勤務などによる心理的負荷により、うつ病エピソード又は適応障害を発病し、自死に至った。なお、精神科や心療内科の通院歴はなかった。

【判決の意義】
 原審の東京地裁は、長時間労働による適応障害の発病を認めたものの、その後の自死に関しては、発病後の心理的負荷の強度やレジからの金銭の持ち出しなどの業務外の心理的負荷の存在を理由に、業務と自死との相当因果関係を否定した。
 これに対して控訴審の東京高裁は、うつ病エピソード又は適応障害の発病を認めた上で、発病前1年間の長時間労働、ノルマ、及び連続勤務を考慮して、自死との相当因果関係を肯定した。また、レジからの金銭の持ち出しも、精神障害の症状と捉え、業務外の心理的負荷と評価しなかった。

 

判決が「消費者法ニュース」に紹介されました。

 当弁護団所属の太田伸二、晴柀雄太、生越照幸各弁護士が、賃貸物件内の自死に関する損害賠償請求訴訟(当方が被告代理人として受任。)で、心理的瑕疵に基づく損害が生じる範囲を当該部屋の賃料の半年分に限定した判決を得ました(仙台地方裁判所 平成27年9月24日言い渡し。消費者法ニュース106号(2016年1月号)所収)。

【事案の概要】
 賃貸物件内での自死について、物件の所有者及び賃貸人が、借主(自死者の内縁の夫)と自死者の相続人に対し、マンション全戸について長期間にわたり心理的瑕疵が生じたとして、1500万円を請求した事案。

【判決の意義】
 公刊されている裁判例において、自死と因果関係のある損害を賃料半年分まで限定したものは見受けられず、損害の範囲を限定した点に意義がある。
 また、原告はいわゆる「事故物件サイト」に自死の事実が掲載されたことを損害発生の理由の一つと主張したが、判決では、第三者による意図的な作為が介在したものであって、相当因果関係は認められないとした。